開始から10ヶ月、2020年は再スタートの半年間
原田:昨年8月に公開後に安心安全を最優先にすべく一部機能を制限していましたが、前回LEADER MEET-UPの少し前に検索やカテゴリーの開放をおこなってから2020年は再スタートとして順調に予定していた機能を追加しました。
特に皆さんに影響があったのはオープンチャットのトップページ(メイン画面)に"ピックアップ"が再開されたことだったと思います。正直、当時再開は難しい話をしていました。様々な機能改善だけでなく、皆さんの運営スキルも非常に高いこともあり、効果的に活性化に役立っていることがわかります。以前よりもメイン画面で活発なオープンチャットを見つけやすくなったと思います。
利用者で最も多い年代は10代、20代がほぼ同数
原田:半年前よりも10代、20代の利用が多く増えました。全体の半数を超えています。10代が増えたのは新型コロナウイルスによる休校の影響が大きいと思いますが、それに伴うサービス上の課題なども見えてきています。これについては後ほど取り上げます。
未成年の雑談トークルームが最も活動量が高い
原田:現在、1日あたり多いと10000個のトークルームが生成されるほどの状況です。活動量の上位はメイン画面のピックアップで取り上げられた雑談、恋愛、特定のゲームに関するトークルームで、1日500~1000人ほどが新規で参加し、トーク送信数は25000回にも及びます。
活発なオープンチャット運営者を増やすために年に4回アワードを実施
原田:新しく始まった"OpenChat Leader Award"は活動量を選定基準としたもので、年に4回実施する予定です。より多くの活発なオープンチャットが生まれてほしく、成長の参考にしていただきたいという思いや、新たに目指す管理者の方が増えてくれることを期待して開始いたしました。
第1回は2020年1~3月の期間が対象で、10のトークルームを選ばせていただきました。受賞されたトークルームなど詳しくはこちらをご覧ください。
第2回は2020年4~6月の期間が対象で、ユーザーの皆さまからの"推薦"も参考にしました。第2回の受賞されたトークルームなど詳しくはこちらをご覧ください。
・とにかく発言数が多い
・すぐに年齢、住まいを聞く
・プロフィールに自画像を使う
・無意味な画像を投稿
・テーマや情報よりも誰かと繋がっていることへの興味
塩澤:このような利用が悪いというわけではありませんが、会話の性質がまったく異なっていますね。大人の会話の傾向と、とにかく何でもいいから会話をしたいという未成年、それぞれが快適にご利用いただけるような誘導をするべきだと考えています。
原田:未成年ユーザーはキーワード検索が利用できないのですが、この利用制限によってピックアップやカテゴリの上位のトークルームに集中してしまう傾向がありました。
大人と未成年の利用傾向に大きな差があることで、お互いが心地よい利用環境になっていないのではないかと考えています。そのため、年齢などの属性に合わせたおすすめ表示を強化することや、安全性が担保されたトークルームのみをキーワード検索できるようにする方法を現在検討しています。
未成年が特に注意してほしい点をわかりやすく啓発
塩澤:オープンチャット禁止規定は公開していますが、すべての方が見てくれているわけでもないのが現状です。私達がサービス開始から未成年ユーザーの利用を注意深く見る中で、特に認識をしてほしい4点をわかりやすくイラスト中心の画像で配布をしています。実際に配布後は「知らなかった」「気をつけよう」といった反応を多く拝見しました。
ノートへの掲載やトーク画面でシェアして拡散しやすいサイズで複数作成しています。ぜひ皆さんもトークルームのルールに合わせて掲載したり、定期的に拡散をお願いします。
1. 即退会してしまい再参加禁止リストに追加できない。
2. 不適切な名前で連続入退会を繰り返してログだけを残す。
3. 共同管理者による悪意ある大量の強制退出実行
4. 集団による組織的な荒らし行為
塩澤:入退会のログの表示関連の改善は迷惑行為対策だけではなくトーク画面の見やすさ向上であったり、強制退会実行時のトラブル(管理者に対する強制退出の理由や責任を問われたりする状況が起きている)を防ぐためにも様々なオプションを考えなくてはいけないと思っています。トーク送信とは異なる仕組みで表示しているので簡単には実装できないのですが検討をしています。
原田:ここでもう一つ重要な点はコミュニティの破壊行為につながる行動を行った場合は厳重な措置をおこなうということです。実際には永久にオープンチャットが使えなくなるレベルの対応をしています。この数ヶ月で多かったのは信頼していた共同管理者が実は悪意を持って強制退会を実行したり、無意味に発言を削除したりする行為ですね。私達ではすべての実行ログが記録されているので調査して対応を行っています。実際にこの半年で対応した件数もかなりあります。
集団で他のトークルームに嫌がらせや荒らし行為をおこない、混乱させてコミュニティとして破壊させる行為も同様です。実行を計画しているトークルームの管理者や、場合によっては関わったユーザーはすべて厳しい対応をさせていただいております。
塩澤:次の項目でも出てくるのですが、実際に潜入調査のような形でパトロール要因が入り込んで対応することもしています。ただ、これらを検知するのは通報やモニタリング含め私たちだけでは対応が難しい面があるのも現実です。皆さまからの情報を受け付ける専用フォームを用意しておりますのでご協力をお願いいたします。
・通報された発言付近を抽出して確認
・通報されていない特定キーワード発言抽出
・キーワード別にスコアリング指定
・スコアにより優先して目視確認や自動削除
・ユーザー単位で全ルーム横断した発言確認
・問題があれば投稿の削除や利用停止措置
・トークルームの表示制限の属性付与
・ユーザーに紛れ込んで直接パトロール など...
トークが勝手に削除されてしまう?
塩澤:今回イベントにご参加いただいた管理者のみなさんも驚かれていたと思いますが、新規トークルームは多い時で1日に10,000個も作成されることがあります。実は私たちのモニタリングチームは、その全てについて露出する前にチェックし、ガイドラインに違反しているルームについては削除対応を行なっています。また、そのときのチェックでは問題なかったルームでも、その後、管理者が出会いのための連絡先交換を促進したり許容したりするなど違反がみられた場合には直ちに削除されることがありますので、管理者の皆様には十分注意を促したいところですね。
トークルームが検索などに表示されない?
塩澤:トークルームの新規作成時や変更時には全件チェックを行なっている過程で、削除まではいかないものの、検索やカテゴリなど、オープンチャットのメイン画面で露出させるのにはふさわしくないものは「非表示」対応を行なっています。たとえば、ギャンブルの一部やわいせつでない成人向けのトピックなどはソーシャルネガティブトピック(SNT)として非表示の対象となります。ある管理者の方からは「一度非表示になると二度と復活できないのか」というご質問をいただきましたが、基本的にはトピックとルームの説明の主旨が変わらない限りは復活できません。また、自動でそのトークルームをスコアリングするシステムも導入されており、非表示まではいかなくても、一定のロジックにしたがって検索の上位に表示されない対応も取っています。
迷惑行為、違法行為の行動傾向を分析して多くの自動化を
塩澤:自動化はモニタリング効率を劇的に高める一方、常にFalse Positive(誤検知・誤削除)のリスクとも隣り合わせです。そうした意味で、投稿が自動で削除されるいわゆる「NGワード」の選定は非常に慎重に行う必要があり、誤削除を防ぐためのホワイトリストワードの管理は発生ベースで手作業で行う必要があります。最近いただいたご質問で「NGワードの規制が緩和されたのではないか」というものがありましたが、確かにサービスリリース当初よりかなり緩和いたしました。理由は、偶然一致してしまった似たような単語の誤削除を減少させるためというだけでなく、会話の実態を見て、本当の意味で違反に当たる使われ方をする単語にのみ限定することで、表現の自由を守り、UXを向上させるためです。例えば、当初は「援交」や「セックス」というような単語もNGワードに設定していましたが、ニュース記事や学術論文、真面目な悩み相談などで使われるケースを考慮し、自動で削除するのではなく人の目で確認し、文脈で判断できるようなモニタリング方法に変更しました。この方法は一定のモニタリングリソースを必要としますが、現時点ではそのバランスを絶妙に保ちながら、クリティカルな違反や犯罪に結びつくような使われ方は防げているという状態です。
原田:利用者数が増えることでモニタリング体制も増強しなければいけないのですが、人力でおこなうべき部分と自動化で迅速に効率よく行うべき部分の見極めをしなければいけないですね。
【通知の数字カウント】
ようやく第一歩として先日"Nマーク"を表示する設定に変更できるようになりました。
【送信取り消し】
間もなくリリース予定となっており、検証の最終段階です。(2020年6月現在)今までのLINEトークと同じようにご利用可能になります。
【メッセージ検索】
オープンチャットは過去ログを誰でも見ることができます。通常のLINEトークと仕組みが異なるため現在も検討課題が残っている状況です。解決に向けた企画は進行していますのでもうしばらくお待ちください。
現在検討をしている改善や新機能
原田:この他にも検討中のものも含まれていますが、現在このような内容について企画検討がされています。確定されていない現在検討中のものも含まれており、今後変更または見直しされる可能性があることはご理解ください。
・トーク読み込み速度の改善
・メッセージに対する「いいね機能」
・特定の人だけが発言できる機能(Read Only型)
・新メンバーの参加通知
・ルームトップに表示されるカバー画像強化
・FAQ bot
・トークルームのレコメンド機能
皆さまからいただいているご要望
・入室前に「ルール」を表示
・より細かい管理者権限設定
・共同管理者への「管理者権限移行時」の本人の承認機能
・画像・動画、スタンプ、URL等、一部のコンテンツの投稿制限機能
・管理者同士のノート共同編集機能、ノートへのコメント権限制限
・投票機能の権限設定
・bot操作に対する共同管理者への権限設定
・荒野行動で行われているオープンチャット連携の他ゲームへの展開
・投票、スケジュールなど埋もれている機能のわかりやすい露出
・オープンチャットのチュートリアル(全機能をすべて検索できるもの等)
・アルバム機能
・カテゴリーの中のサブカテゴリー(スポーツ→野球、サッカー、ウィンタースポーツなど)
・ランキングのバリエーション増加(人数、評価など)
・1ルームあたりの人数制限廃止(Facebookグループのように数万人規模のコミュニティを作りたい)
・リアクション機能実装後、メンバーのアクション統計機能(リアクション数でのランキングなど)
・投稿を後から振り返るためのマーカー機能
・トークルームごとに「スタンプ禁止」の有無設定
・トークルームごとに管理者と共同管理者のみ会話ができる「管理者室」の設置
原田:以前からたくさんのご要望をいただいておりますが、今回イベントの前と後も含めて現在このようなご要望をいただいております。私たちも普段利用していて同じように感じるものばかりです。私としては開発リソースさえあればすべてを対応したいのが本音ですね。優先度を決めながら検討してまいります。
MEET-UPで管理者の皆さんからいただいたご質問
原田:ご質問をたくさん頂いていたのですが、時間の都合でお答えできなかったものもたくさんあったり、事後のアンケートなどでもいただいたのでいくつかお答えできそうなものをお話しますね。
Q1. 管理人として違反者を「強制退会」する行為と、投稿を残して皆さんに「通報」してもらう行為、どちらが違反者にとってダメージが大きいですか?
原田:強制退会はそのトークルームだけに入れないのに比べ、通報は通報内容次第では他のトークルームも利用できなくなりますね。違反者が何をおこなったかによって異なり影響範囲も変わりますね。ご自身のトークルームの安全管理を考えるとまずは強制退会をしっかりおこなったうえで、オープンチャットの安心安全ガイドに記載されているようなNG行為をおこなっていた場合は通報を行うことをおすすめします。
Q2. SNSの利用を禁止されている未成年を、オープンチャットから他のSNSに繋げてしまうリスクに対しどのような対策をお考えですか。
青少年の健全な育成という観点でチャットに依存する小中学生が増えるリスクについてどうお考えですか。
原田:未成年に関する考え方についてはLINEというアプリケーションならではの使われ方も含め認識をしております。実際に新型コロナウイルスによる休校期間のご利用状況などを見ても健全な使われ方をされているかと問われると必ずしもそうではない状況も認識しております。
オープンチャットは単独アプリケーションではなくLINEの中にある機能でもありますので、OSが用意している利用制限機能で対応できるようにしているので、ご家庭でルールを決めてご利用いただくという方針です。ただし、委ねるだけではなく、未成年を守る仕様や啓発活動は先ほどのとおり継続して参ります。
Q3. 強制退会+再入会禁止にしたユーザーが、その後ニックネームを変えた場合、再入室できますか?
原田:ニックネームを変えてもユーザー単位でシステム上では同一人物として認識されているので再入室は一切できません。
Q4. LINEオープンチャットは、悪質利用者への「発信者情報開示請求」には、対応していますか?
原田:昨今社会問題として取り上げられていることに繋がっていると思いますが、当然、法律や開示に関する厳重な社内規定に則って対応しております。先日各SNS事業者による対応の声明も発表させていただいています。実際にこの10ヶ月の間で開示請求に応じているケースもあります。
Q5. インスタのストーリーズにオプチャのURLを貼ろうとするとエラーになってしまうのはもう仕方が無い仕様なのでしょうか?
原田:他のサービスのことなので詳細はお答えできないのですが、招待の画面から生成されるURLは途中に ?(クエスチョンマーク)から後ろを削除して短くすることも可能ですのでお試しください。それでもエラーが出る場合はサービス側での制限がされている可能性も考えられます。
Q6: チャットが突然閉鎖されてしまう基準はあるのでしょうか?荒らし目的のユーザーが違反行為をし、それの対処が遅れたためにチャットが強制閉鎖することもありますか?
原田:詳細のガイドラインまではお答えできないのですが、オープンチャット禁止規定に記載されているような禁止事項を繰り返しおこなっていたりする場合があります。ただし、その時の判断基準で重要なのは、管理者が関与しているかどうかです。黙認も含め管理者が管理できていないと判断した場合、または管理者が自ら禁止事項をおこなっていた場合は即座に削除される可能性があります。その場合、事前に通告なく削除されますので注意してください。対処が送れたからと言ってすぐに削除されることはありませんが、しばらく放置していることが繰り返し確認された場合は削除の対象となります。
Q7: ユーザーの年齢別の流入経路などもし分かりましたらご教示いただきたいです。
原田:申し訳ありません。こちらについてはお答えできないです。ただし、先ほども出てきたメイン画面の機能制限によるピックアップやカテゴリの上位に未成年が流入しやすいといった制約による特徴はあります。
Q8: 一度検索除外になったルームが再度掲載になる可能性はあるのでしょうか。
原田:先ほども触れていますが、可能性はあります。ただし、どのような運営基準で非掲載になったかによって再度掲載されるまでの時間が変わります。自動で判定された場合は問題が発生しないことが確認された後に自動で早期に再度掲載されることがあります。しかし、人員のモニタリングで検索除外になった場合は再審査のサイクルが不定期のため、当面表示されない可能性が高いです。ですので安心安全なトークルームのテーマ選定や運営をお願いします。
Q9: アルバム機能の実装はあるのでしょうか。
原田:サービス開始当初から検討を続けておりますが、未だに企画検討の途中となっています。アルバムの場合永遠に残り続けなければならないものであると考えており、オープンチャットで普段投稿されている画像の状況を見ながら運営にかかるコストを必要性などと照らし合わせながら議論を続けているところです。
Q10. 「メッセージ・ノートを削除」の権限がありますが、メッセージの削除をお願いしたいけれど、万が一ノートを削除されるとコメントも消えてしまい取り返しが付かないため権限を付与する事が出来ず困っています。こちらの権限は別ける可能性はありますか?
原田:現在予定にはありませんが、そのようなトークルーム運営上の問題が生じていることは認識しております。皆さんからのご要望のひとつとして検討を続けてまいります。
Q11. botの操作に対する権限の付与の有無が無い状態かと思うのですが、今後botの種類が増えるにつれ実装されそうではありますが、bot操作に対する権限の付与は検討されていますか?
原田:現在予定にはありませんが、そのようなトークルーム運営上の問題が生じていることは認識しております。一部の管理者の方は共同管理人との決まりを作り、スパムbotの操作を行わないようにするなどでカバーされているケースも見られます。皆さんからのご要望のひとつとして検討を続けてまいります。
Q12. オープンチャット外で、迷惑行為をしているメンバーがいるのですが、強制退会するとメンバーの士気がさがるのでなるべくしたくないのです。 《通報》して、退会させるには何人の協力が必要ですか?
原田:通報によって自動で退会させるという運営は現在おこなっておりません。強制退会のログが出ることでトークルーム内の運営が難しくなることもサービス開始当初からの要望ではあるのでログの非表示なども含め現在検討しております。
オープンチャットに関する皆さまからの投稿をお知らせください
原田:こちらの記事を読んでいただいている皆さまの中で、オープンチャットに関する記事などがございましたら是非事務局までお知らせください。公式記事などからリンクをはらせていただいたり、公式SNSでリツイートなど紹介させていただければと思います。一方的な運営からのPR活動だけではなく、皆さまの実体験と一緒に多くの方に知っていただく機会が作れたら幸いです。
今回のMEET-UPの記事を掲載いただいた管理者の皆さま
原田:ご参加いただいた皆さまに大変ありがたいわかりやすいレポートを作成いただきました。ご紹介させていただきます。私たちの公式レポートよりもイベントで赤裸々に話したこともすべて書いていただいているので是非合わせてご覧ください。
イベント直後に作っていただいて公式レポートのネタに困ったほどよくまとめてくださいました。いつも本当にありがとうございます。
最後に事務局からのメッセージ
塩澤:リリースから10ヶ月経ちましたが、オープンチャットはまだまだ未完成なサービスです。今回のMeet-upでもたくさんの課題やニーズが浮き彫りになりましたが、それらにスピーディかつタイムリーに対応していくことが急務であることをあらためて実感しました。より多くの皆様に末長く愛される身近なサービスになるために、これからもより一層精進してまいります。
原田:今回も最後までお付き合いくださり、本当にありがとうございました。このように優秀な管理者の皆様からの生の声をお聞かせいただくことは、私たちのサービス改善のために何よりも欠かせない糧となります。今後とも皆様から温かいご支援、そしてときには厳しいご指導を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
MEET-UPにご参加いただいた皆さまと記念撮影
ご参加いただいた管理者の皆さま、普段よりトークルームを運営いただいている皆さま、ありがとうございました。今後ともオープンチャットをよろしくお願いいたします。