去る2019年9月18日、福岡県書店商業組合が主催する書店商談会「九州選書市2019」が開催されました。137社が出展した中で今年はオープンチャットを活用。出展者と書店員の間で、事前に「どのような商材があるか」が情報共有され、画期的な取り組みとして話題になりました🌟
さらに「選書市が終了した今もトークルームは活発に動いている」と情報を聞きつけた私たちは、管理者を直撃!
この取り組みにオープンチャットを起用した理由や、普段使いでの利点、さらに今後の展望を聞きました💡
「FAX以外の情報共有手段がないかな?と考えて」
ーオープンチャットを始めたきっかけを教えてください!
もともと、LINEのサービスを使って、「書店や出版社に役立つことをできないかな?」と思っていて、書店にLINE payやLINE公式アカウントを紹介したりしていたんです。その中で、オープンチャットも有効に使えないかな?と考えたのがきっかけです。
ーなかでも、オープンチャットに目をつけた理由は?
びっくりすると思うんですが、出版社⇄書店を繋ぐ情報共有手段のメインが、いまだにFAXなんです。「出版社さんが書店さんに新刊の案内をFAXで送る」→「書店さんは、送られてきたFAXを見ながら情報を得る」という動きがスタンダード。紙で仕分けするのもわかりやすいとはいえ、やっぱり大変。メールの活用もいいけどスタッフ全員がPCの前にいるわけでもない。もっと良い情報共有手段がないかな?と考えたときに、LINEで確認できるオープンチャットが使えるのでは?と思ったのが始まりですね。
ー「九州選書市2019」の最中に、オープンチャットの告知をして人が集まったのでしょうか?
「九州選書市2019」では、フライヤーを配って告知したんですが、事前に案内もしていました。「九州選書市2019」の事務局に「こういうことやりたいんです」っていう説明をして、出展者掲載パンフレットをもらって、知り合いがいる出版社さん、100社くらいにひたすらメールを打ちまくって(笑)。
ー実際に取り入れてみて、反応はありましたか?
すごく好評でした。情報共有の仕組みが欲しいけどLINEで友だちにまではならない、と感じていた人たちばかりだったので、そういう人たち同士がつながってトークできる場所があること自体が好評でした。今まで、FacebookとかTwitterとか、いろんなところで似た取り組みはあるのですがなかなか難しくて。あと、友だち申請してから、とか、(情報共有用に)別のアプリを入れてみて、となってもハードルが高かったんですけど、オープンチャットはLINE本体の機能なので、新しく何かをインストールする必要がないんですよ。ルームのURLだけで参加できるのも手軽でよかったです。
ー普段使っているLINEのなかに機能として入ったからこそ、スムーズに使えたんですね。
「情報をキャッチしておくことで、スムーズに案内できる」
ー「九州選書市2019」の後も活発に利用されているみたいですね。トークルームを作ったことで、具体的にどんなことに役立っているんでしょうか?
出版社さんは8割型東京にあるので、九州にはあまり営業しに行けないんですね。行ったとしても、大手のチェーン店だけで、地方の書店までは足を伸ばせなかったり、当日担当者がシフトでお休みだったりもするんです。オープンチャットのトークルームでは、情報がダイレクトに届くので評判がよいですね。
ー場所柄関係なく、同じ粒度で情報が届くことは良いですね。
あと、今までは情報をキャッチするのが、店長さんとか一部の人だけだったと思うんです。でも、お客さんと実際に話すのは、パートやアルバイトも含めた書店員全員なので。
ー限られた人にしか情報が展開されていなかった、と。
はい。情報を得る手段や機会がなかったと思うんです。でも、オープンチャットのトークルームだったら、朝出勤する前に追って情報を得られる。新聞の書評を持って店頭に来る方も多いので、「書評の情報を事前にもらっておいたので案内しやすかった」という声もありました。いまでは、書店さんや出版社さんからお礼を言われる機会もあって、とても嬉しいですね。
「オープンチャットを情報共有のスタンダードにしたい」
※画像はサンプルです
ー管理者として、意識していることはありますか?
定期的に「出版社さん、情報出してくださいね」とトークルームに投げるようにしています。出版社さんが情報を出しても、なかなか書店さん側からレスがないので、「あれ?」と思うこともあるかもしれないんですが、実は、書店さん側は出版社さんからの情報を常に待っている状況なんですよ。なので、「書店員さんのスマホにFAXを届けるイメージで」と定期的に情報が出るようなお声がけをしています。
ー最後に、これからの展望を教えてください。
オープンチャットを出版業界の情報のスタンダードにしていきたいです。出版社⇄書店だけでなく、全国の書店員さんだけのトークルームだったり、オンライン読書会のトークルームなども出てきているので、そういうものも増えて出版業界の良い事例を作っていけたらいいなと。
あと、私は出版で使いましたが、音楽やイベント、いろんなパターンができそうだと思っているので、いろんな情報のレイヤーの人、地域、ジャンルの人がこの形でオープンチャットを使うようになると、いろんなことが変わっていきそうだなと思っています。
いかがでしたか? 管理者さんの回答をもとに、改めて、振り返ってみましょう💡
其の壱:『LINEで友だちにまではならない』人たち同士の交流・情報交換場所として機能させる
其の二:定期的に「出版社さん、情報出してくださいね」とトークを投げかけ、トークルームを動かしている
業界のスタンダードを変えていく試みは、オープンチャットとしても新しく、ジャンルに限らずいろいろな場所で同じように活用できそうです。
▷さっそくオープンチャットを使ってみる
▷公式Twitterをフォロー: @LINEOpenChat_JP
▷公式アカウントを友だち追加: @lineopenchat_jp